The face of an angel…天使が消えた街…

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監督:マイケル・ウィンターボトム
キャスト:ダニエル・ブリュール、ケイト・ベッキンセイル、ヴァレリオ・マスタンドレア、カーラ・デルヴィーニュ




(allcinema映画データベース)
容疑者となった美女の名前から“アマンダ・ノックス事件”などと呼ばれ、欧米メディアで大々的な報道合戦が繰り広げられたイタリア・ペルージャでの女子留学生殺人事件。「イン・ディス・ワールド」「グアンタナモ、僕達が見た真実」のマイケル・ウィンターボトム監督がこの世界的スキャンダルをモチーフに、事件の映画化を目論むも一向に構想がまとまらない一人の映画監督の葛藤と苦悩をメタ的構成で描き出す異色ドラマ。主演は「グッバイ、レーニン!」「ラッシュ/プライドと友情」のダニエル・ブリュール、共演にケイト・ベッキンセイル、ヴァレリオ・マスタンドレア、カーラ・デルヴィーニュ。
 2011年、イタリア・トスカーナ州の古都シエナでは、人々の関心がひとつの裁判に集まっていた。2007年にイギリス人留学生エリザベスが殺害され、ルームメイトの美しいアメリカ人留学生ジェシカ・フラーとその恋人ら3人が逮捕された。そしてこれから、一審で有罪判決を受けたジェシカの控訴審が始まろうとしていたのだ。そんな中、ロンドン在住の映画監督トーマス・ラングがイタリアにやって来る。この事件の映画化に再起を懸ける彼は、アメリカ人女性ジャーナリストのシモーン・フォードの協力でリサーチを進めていくのだったが…。




マイケル・ウィンターボトムって最近観たっけ、とちょっと振り返ってみたら、ついこの間観た『イタリアは読んでいる』と、ケイシー・アフレックの怪演が印象的だった『キラー・インサイド・ミー(2010)』の監督でした。
前者は中年俳優のお気楽ロードムービー、後者は殺人衝動に目覚め次々と罪を犯していく保安官の内面を描く心理サスペンス。スタイルこそ違え、いずれも洞察力溢れる視点で心の深淵に触れる人間ドラマですが、このイギリスの鬼才は今回、殺人事件の公判を背景に、人生半ばで進むべき道に惑う主人公の心の迷宮を独特の切り口で描いています。

そもそも”アマンダ・ノックス事件”を知らない私は、主人公が公判で裁かれようとする事件の真相を追う社会派ドラマかと思っていたのですが、なーんてことはない、事件を巡り議論をを交わすジャーナリスト達の現実的な言動に翻弄される、中年映画監督の心の彷徨を描く超オタク的作品でした。

度々差し込まれる主人公の心象風景は、古都シエナの街並みを背景に現実と幻との境を乗り越え、事件の背後に蠢く様々な思惑を闇の中に溶かし出していく。ダンテの神曲をモチーフに、映画製作の方向性を語る主人公の観念的言動が強調される一方で、加熱するジャーナリズムに対する批判を織り交ぜながらも、人々が厳然と横たわる事実を受け入れる様は、極めて現実的と言えます。

ちょっと難解な作品です。ま、要するに、売れて何ぼという現実は否定できないって事かな。。。


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  •   29, 2015 12:26
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