The President…独裁者と小さな孫…

監督:モフセン・マフマルバフ
キャスト:ミシャ・ゴミアシュヴィリ、ダチ・オルウェラシュヴィリ、イャ・スキタシュヴィリ、グジャ・ブルデュリ、ズラ・ベガリシュヴィリ、ラシャ・ラミシュヴィリ、ソソ・クヴェデリゼ、ダト・ベシタイシュウィリ




(allcinema映画データベースよりコピペ)
ヨーロッパで亡命生活を続けるイランの巨匠モフセン・マフマルバフ監督が、暴力と憎しみの連鎖から容易には抜け出すことのできない混迷の社会情勢を背景に描く感動の政治寓話。クーデターによって国を追われた冷酷非道な独裁者が、幼い孫とともに逃亡の旅を続ける中で、自らが犯した罪の重さを目の当たりにしていくさまをユーモアを織り交ぜ辛辣に綴る。冷酷な大統領が支配する独裁国家でクーデターが勃発する。大統領の家族たちがいち早く国外へ避難する中、幼い孫だけは駄々をこねて大統領のもとに残ってしまう。やがて政権は完全に崩壊し、大統領は小さな孫を抱え、素性を隠しての過酷な逃避行を余儀なくされるが…。





本作の撮影場所は、トルコ隣接のグルジア(昨年春から日本では英語読みのジョージアと表記されてます)。言語もグルジア語でキャストもグルジア人。そして監督は亡命中のイラン人。しかし、劇中では舞台となった国の名前も無ければ、キャラクター達の名付けも無し。すべてが架空の設定の元、とある国での出来事として物語が進んでいく。

いやあ久しぶりに、登場人物が誰一人として幸せになれない作品を観ました。架空の設定というところが本作の肝で、その事が正義の名の下に潜む普遍的な闇の部分を露わにしていきます。権力を剥ぎ取られ現実を直視する大統領と、想像力の欠如という無神経さを晒す孫の二人の視点が絡む場所には、ペーソスこそ漂うものの何のユーモアも生まれない。
不幸という名の衣を何重にも纏わなければならない人々の魂の叫びは、どこに木霊するのか?政治的寓話と呼ぶには余りに厳しい、復讐の連鎖を断ち切る勇気を喚起する強いメッセージを湛えた佳作でした。


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  •   21, 2015 23:30
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