SAMEBLOD…サーミの血…

サーミ
監督:アマンダ・シェーネル
キャスト:レーネ・セシリア・スパルロク、ミーア・エリカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ、ユリウス・フレイシャンデル、ハンナ・アルストロム、オッレ・サッリ



(allcinema映画データベースよりコピペ)
 北欧スウェーデンを舞台に、少数民族であるサーミ人の知られざる迫害の歴史と、差別に抗い自由を求めて必死に生き抜こうとする一人のサーミ人少女の成長物語を、北欧の美しい自然をバックに綴るヒューマン・ドラマ。主演は実際にノルウェーでトナカイを飼い暮らしているサーミ人のレーネ・セシリア・スパルロク。監督は自身もサーミ人の血を引くアマンダ・シェーネル。本作が記念すべき長編デビュー作となる。
 1930年代、スウェーデン北部のラップランド地方。ここに暮らす先住民族のサーミ人は、他の人種より劣った民族と見なされ、理不尽な差別や偏見にさらされてきた。そんなサーミ人の少女エレ・マリャは、寄宿学校では優秀な成績で進学を希望するが、教師からはサーミ人はスウェーデン社会ではやっていけないと冷たくあしらわれる。そんなある日、洋服に身を包みスウェーデン人のふりをして夏祭りに忍び込むエレ。そこで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。そして彼を頼って街に出るエレだったが…。







スウェーデンに対して日本人が連想するのは、高福祉国家、お洒落な北欧インテリア等々概ね好意的なものが多く、厳しい気象条件にも関わらず文化的な社会を維持する先進的な国家というイメージが強い。まあ実のところは、フィンランドとノルウェーも一括りに北欧諸国と捉えがちで、スウェーデンについて何一つ詳しい情報など持ち合わせていないのだけれど。。。本作は、そんな日本人の持つ漠然とした北欧のイメージに、ガツンと一発パンチを喰らわせてくれる衝撃的な作品だった。

先住民族としてのサーミの血と文化を否定し、スウェーデンの白人社会に同化する為にナリフリ構わず爆走するヒロインのエネルギーが強烈。少年ニコラスとの恋がそのきっかけとして描かれているけれど、底流には迫害と差別に対する深い疑問と異文化に対する強い好奇心があって、同情や共感といった他者の余計な感情を寄せ付けない彼女の強い意志を感じることができる。晩年に描かれる頑なな態度も、自己肯定によってのみ生きてきた彼女の揺るぎない決意を表している。

黒歴史ともいえる社会問題を、被害者意識を封印した人間ドラマとして描く姿勢に好感が持てる。民族主義への揺り戻しの嵐が吹き荒れる昨今にも通づる佳作だと思う。
スポンサーサイト
  •   04, 2017 01:31
  •  0
  •  0

Comment 0

Leave a comment