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AUS DEM NICHTS / IN THE FADE…女は二度決断する…

二度
監督:ファティ・アキン
キャスト:
ダイアン・クルーガー カティヤ
デニス・モシット ダニーロ
ヨハネス・クリシュ ハーバーベック
サミア・シャンクラン ビルギット
ヌーマン・アチャル ヌーリ
ウルリッヒ・トゥクール ユルゲン・メラー




(allcinema映画データベースよりコピペ)
「愛より強く」のファティ・アキン監督がダイアン・クルーガーを主演に迎え、卑劣な移民排斥テロによって最愛の家族を奪われた女性が、絶望と怒りの中で立ち向かう理不尽な現実とその顛末を描いた緊迫の復讐サスペンス。カンヌ国際映画祭ではダイアン・クルーガーがみごと主演女優賞に輝いた。
 ドイツ、ハンブルク。生粋のドイツ人のカティヤは学生時代に出会ったトルコ系移民のヌーリと結婚し、かわいい息子にも恵まれ幸せな日々を送っていた。そんなある日、ヌーリの事務所前で爆発事件が起こり、最愛の夫と息子を一瞬にして失う。警察はヌーリが移民だったことから外国人同士の抗争を疑うが、カティヤは移民を狙ったネオナチによるテロに違いないと訴える。やがてカティヤの主張通り、ネオナチの若いドイツ人夫婦が逮捕され、裁判にかけられるのだったが…。





政治基盤の盤石なメルケル首相の元、ドイツは難民移民に対して比較的寛容な立場をとって来ましたが、このところのポピュリズム席巻にその政策にも批判が寄せられるようになりました。いわゆるネオナチと呼ばれる極右団体が難民キャンプを襲ったり移民街でテロ行為をはたらいたりと、些かキナ臭いムードが目立ちます。しかも、捜査当局がこれらの破壊活動を移民同士の抗争と取り違え、右翼団体の摘発が後手に回るという失態も明らかになりました。ドイツ社会でも他のヨーロッパ諸国と同様に難民移民問題が火種となって社会の分断が進み、メルケル政権が揺らいでいるのです。

本作『女は二度決断する』は極めて主観的な復讐劇で、夫と息子をテロ攻撃で失ったヒロインの揺れ動く心情がそのままストーリーとして語られます。社会的背景や登場人物のバックボーンの描写は一切描かれていないので、彼女が突き進む復讐劇に同調するのは難しいのですが、理性や論理では乗り越えられない哀しみの深淵が描かれていると考えれば、この決断もアリなのかなのかな…とも思います。


ドイツ語のオリジナルタイトル "Aus der Nichts" の意は、『虚無から』。家族の喪失と犯人への憎悪、そして裁判への不信という、三重の絶望によって打ちのめされたヒロインの虚無が余りに深い。一切の明るい兆しの見えない、重苦しい作品でした。




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  •   20, 2018 22:00
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