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THE MAN WHO STOLE BANKSY…バンクシーを盗んだ男…

バンクシー
監督:マルコ・プロセルピオ
ナレーション: イギー・ポップ



(allcinema映画データベースよりコピペ)
 2007年、正体不明のグラフィティアーティスト、バンクシーが、パレスチナとイスラエルを分断する巨大な壁にグラフィティアートを描くプロジェクトを敢行。バンクシー自身も6つの壁画を残し、世界的に大きな話題となる。ところが、その中の1つ“ロバと兵士”が地元住民によって切り出され、オークションに出品されてしまう。本作は、その“ロバと兵士”が辿った顛末を丹念に追い、ストリートアートを巡る光と影に迫っていくアート・ドキュメンタリー。





前記事のキース・ヘリングは、ストリート・アーティストの先駆者だったけれど、このドキュメンタリー作品の主役は、イギリス・ロンドンを中心に活動するバンクシー。正体不明の覆面グラフィックアーティストで、凡そ一晩で街角の壁に政治的メッセージを込めたグラフィティを描いたり、著名な美術館に侵入し無許可で自作品を展示したりと、そのゲリラ的パフォーマンスは世界的にも有名です。その具体的な活動は、ドキュメンタリー作品『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』に克明に描かれており、また先日観た『オーシャンズ8』の劇中でも、メトロポリタン美術館にバンクシーの作品が無断展示される!というエピソードが登場しました。

いずれも法に触れるテロ的表現方法でありながら、肯定的に捉えられること多いバンクシーですが、今作『バンクシーを盗んだ男』は、ベツレヘム在住のタクシードライバーの批判的な眼を通し、バンクシー作品の制作意図を問いつつ、結果として、芸術作品の真の存在意義を検証するという興味深い内容となっています。

そもそも、キャンパスに描かれた絵画とは違い、バンクシーの作品は他者の所有物である壁面に描かれており、そのまま放置すれば風雨に晒され消失する運命にある落書きの類の物です。それでも何故人気を博するかと言えば、その時その場所に描かれ、すべての人と共有できるからこそ彼の政治的メッセージが生きてくるからで、謂わば現地現場主義とも言えるでしょう。
そんな彼の作品を切り取り別の場所に保存するという行動は、その時点で作品の価値を激しく毀損するのではないか?切り取る前までは壁の所有者に作品の所有権があるけれども、切り取られた時点で所有権は作者に移るのか?それとも切り取った者に移るのか?などなど、様々な疑問が提示されます。

イスラエル入植地を守る為に作られた分離壁によって、生活圏を制限されたパレスチナ人たちの深い怒りを知ると共に、バンクシーだけでなく、すべてのアート作品のあり方考えるきっかけとなる作品でした。伝説のロック歌手イギー・ポップの静かなナレーションも効果的です。
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  •   15, 2018 20:30
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