WELCOME…君を想って海をゆく…

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監督:フィリップ・リオレ
出演:ヴァンサン・ランドン、フィラ・エヴェルディ


家族と共にイギリスに移住した恋人ミナを追い、フランス北端の街カレに行き着いたクルド人難民の青年ビラルは、彼女に会うためにドーバー海峡を泳いで渡る事を決意する。偶然のきっかけとある個人的な理由から、水泳コーチのシモンは彼を支援し始めるのだが…。
こんなあらすじを読めば、ロマンチックな恋愛映画かと想像したくなるが、それは大きな勘違い。この『君を想って海を行く』は、フランスの難民政策の変節を扱ったシビアな社会派映画だった。


トルコ・イラク・イランなど中東各国に数多く分布するクルド人は国家を持たない最大の民族集団で、分離独立を求めるがゆえに多くの難民生む結果となっている。一方、かつては数多くの移民を受け入れていたフランス政府は、様々な国内事情から今や難民に対して強硬な姿勢をとるに至っている。

極東の島国、且つ単一民族国家に属する我々日本人には、なじみにくいテーマだけれど、いずれは同じ局面に遭遇することになるかもしれない。オリジナルタイトルの“WELCOME"は、いかにも率直だが反面強烈な皮肉も込められ、主人公の複雑に揺れ動く心理をうかがうことができる。同情や感傷では解決できない難民問題…。


いろいろな意味で、深く心に刻まれる作品だった。
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  •   04, 2011 23:00
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